声に焦らされるって、ここまで有効な武器だったんだ。最初はテンプレかなと思ってたのに、終わったら「もう一回あのシーン見たい」ってなってるやつです。
「ボイス配信者×隠れファン」という設定が想像以上に活躍していました。南くんが烏丸のリスナーだという秘密を知る瞬間の緊張感とか、普通の恋愛シーンでは出ない「声越しの親密感」みたいなのが面白い。配信という距離感がありながら、実際には近い二人の距離感の使い方が上手いなって。特に烏丸の言葉責めシーンは、セリフだけで相手を翻弄する感じが視覚的に表現されていて、漫画という媒体で「声の力」をちゃんと再現できてるんだなって感じました。(我ながら感心してる自分が笑える)
相野ココ先生のコマ割りとキャラの表情の使い分けが安定してるのはいいですね。特に南くんが欲しい反応と、烏丸が与える反応のズレとか、一瞬の照れとか。そういう細かい感情の機微で読者を引っ張ってくるタイプ。ただ220ページだからか、盛り込み多めなのに対してストーリーの起承転結がちょっと駆け足に感じたのは惜しい。もう10ページくらいあれば二人の関係の深まり方がもっと説得力出たんじゃないかな、という印象です。
このシリーズはコミック化もされてるし、BLCDも出てるみたいなので、相野ココ先生の中でも当たり作なんだろうなって感じは伝わってきます。二巻もあるっぽいので、続きが気になるならそのまま手を出してもいいと思いますね。
甘めの恋人編が好きな人、声で焦らされたいタイプ、推しの隠れリスナーになってる経験がある人(ニート関係なく多そう)にはハマるはずです。別に玄人向けではないので、BL初心者も読みやすい。深夜3時のニートが選ぶ「悪くない一冊」としてはちょうどいい温度感だった、って感じです。
作家: 相野ココ
ジャンル:
単行本 女性向け











