—
あ、これですね。ホスト×ラブコメの黄金比。2巻目にして二人の関係性がようやく「本当のやつ」へ進もうとしてるのが骨の髄まで伝わってきます。
1巻時点では「セフレ関係」という名目で割り切ってた距離感が、2巻でハッキリと崩れてくる。主人公がホストの何気ない言葉に揺らぐ瞬間。攻め側がふとした素顔を見せる瞬間。そういった心理的な揺さぶりの一つ一つが、長々としたエロシーンより何倍も手応えがあるんですよ。べのもとの筆は「心理の機微を表情に乗せる」のが本当に上手い。セリフなしで二人の距離が縮まるコマ割りとか、視線の揺らぎ一つで「あ、この人本気なんだ」って分かるコマ構成とか。ニートの俺でも唸る完成度です😁
特に評価したいのが、ホストという職業特性を活かした逆転構造ですね。客と嬢、みたいな「上下関係」として始まった関係が、いつの間にか二人の間だけで「対等な恋愛」に変質していく。その移行を自然に、でも確実に仕込んできた構成力は、ラブコメとしては本当に見事なんです。読んでて「あ、この人たちもう戻れないやつだ」って気づかされるシーンがいくつかあるんですけど、そこが沼への入口なんですよ。
—
ただ、正直に申し上げると——222ページというボリュームの中に、キャラの掘り下げ、恋愛の進展、そしてR18要素を全部詰め込もうとしている都合上、各要素が「ちょうどいい深さ」に止まってるのが惜しい。もっと泥々と、一つの感情を掘り下げるスタイルもあったはずで、そこを想像するとやっぱり「もう一呼吸ほしかった」という気持ちは消えません(完全に俺の好みの問題です)。
同作家の他作品を何冊か読んでると分かるんですけど、『アサヒさん』シリーズって一貫して「テンポ重視」なんですよ。これ自体は悪くない選択で、むしろホストという「クイックで儚い」職業との相性は最高。でも前に読んだ別シリーズだと、もう少し人間関係の泥沼感に時間をかけてて——それと比較すると、2巻時点での「心理的な粘り気」に差があるのは否めない。まあ、こんなことは「300冊以上読んでるニートの個人的な好みの偏差」程度に考えてください😂
—
ここから先の展開で感情が大きく動く場面があるんですけど——そこでの主人公の脆さと攻めの執着の両立が、公開サンプルではごっそり削られてるんですよ。これ重要なポイントです。
実は2巻通して読むと気づくんですけど、攻め側も相当に揺らいでるんです。ホストという「自分の顔」をしっかり保つ職業に身を置きながら、一人の相手だけに執着している。その矛盾。その葛藤。それが後半のある場面で一気にクローズアップされるんですけど、その瞬間だけで、この作品全体の評価がガラッと変わる。サンプルじゃ絶対に分からない沼ポイントです🙏
R18シーンもね、そこに感情の起伏が完全にシンクロしてるので、買ってからの響き方が全然違うんですよ。「エロシーン目当てで読むBL」みたいなスタンスでも、ここのシーンは「感情の延長としてのセックス」という説得力が出てくる。エロに感情を乗せてこない作品は2度目がないというのが俺のポリシーなんですけど、この作品はそこをクリアしてます。
—
同系統の「大人の男と心理的な揺らぎが絡むシーン重視」のBLと比較すると、『アサヒさん』2巻はスタンダードから上位寄りのラインにいます。テンポの良さと心理描写のバランスが取れてるからですね。
ただし「泥沼感たっぷりの純愛BLが好き」という人には、もう少し執着度が濃い作品を勧めたいかな。『アサヒさん』はあくまで「明るめのホストコメディの皮をした恋愛もの」という立ち位置なので、そういう系統を求める人にはちょっと「間口が広い」かもしれません。
同価格帯の競合作と比べても、『アサヒさん』は「シリーズとしての満足度」を重視してるみたいです。単体でも読めますけど、1巻から2巻への関係性の変化を知ってる人ほど、2巻の評価って上がる。そういう仕組みになってるんですよ。
—
セール価格で販売されてるなら、迷う余地なく買いです。ただ通常価格だと「既にシリーズ1巻を読んでて、この二人の先が気になる」くらいのレベルの人向けの判定になります。ニートの貴重な小遣いをかけるなら、「確実に続きが読みたい」くらいの推し力がある人が対象ですね。
結論としては【条件付き】です。
『アサヒさん』シリーズの世界観が好きで、この二人の関係性に惹かれてるなら、迷わず沼に落ちてください。ここからの展開は本当に素晴らしいと思う。でも「単体で何か良いホストBL作品を読みたい」という人なら、まずは掘り下げがもう少し深い別作品も検討してからの購入をお勧めします。就活より慎重なニートからのアドバイスです😁
作家: べのもと
ジャンル:
単行本 ラブコメ ホスト





