正直なところ、2巻でシリーズの足踏み感が目立ってきました。1巻の立ち上がりの勢いがどこへやら、という残念さを隠せません。
本作の最大の問題は、オメガバースの根幹である「番」という概念が、単なる設定のお飾りになってしまっているという点です。運命的な絆であるはずの「番」が、どうしてそこまで強く惹かれるのか、その内的葛藤がごっそり抜け落ちてる。ツンデレメガネというキャラクターの素材自体は悪くないんですけど、そこからの掘り下げが浅い。セリフも呼吸が浅く見えるというか、機械的に感じてしまったんですよね。エロシーンにしても、技術的には悪くないんですが、二人が心底相手を必要とする切実さが乗りきってない。攻めが何を葛藤してるのか、受けがなぜそこまで執着するのか、その説得力がぼやけちゃってる。ページ数の割に読了感が異常に早く来てしまう作品です。
藤河るりのディスコグラフィで評価すると、この作家さんの真骨頂である「目の表情による情感表現」がこの巻では控えめな仕上がりになってます。コマ割りのテンポも特段の工夫がなく、「安定」という言葉で言い繕ってますが、実際には「冒険を放棄してる」という状態に見えるんですよ。前作を読んでいればこそ、この失速は余計に気になってしまう。
電子限定かきおろし漫画が付属しているのが売りなんですが、そこに「本編では語られなかった二人の関係性の補完」という役割が求められているのが、本来は問題なんです。本編の中で完結していてほしい情報を、別冊で追いかけてるわけですからね。それって作品として後ろめたさを感じさせる構成です。
同じオメガバースの他作品と比較すると、差は歴然としています。このジャンルの要でもある「番の概念をどう活かすか」「運命 vs 自由意志のジレンマ」という葛藤が、この作品では運命側に一方的に寄りかかってるだけ。二人が「それでもお前を選ぶ」という主体的な決断に至ってないんです。関係性が全体的に受動的で、そこが最大の弱点。わざわざ同じ金額を払うなら、「番」の重みがちゃんと活きてる他作品の方が断然価値があります😂
結論としては、【条件付き】です。1巻から好きで、ストーリーの続きが気になって仕方ない人なら、買う価値はあります。推しキャラへの執着が買い物を決定づけるのは、ニートの私が言うまでもなく、オタクの本分ですから(就活が滞ってるくせに作品選別には真摯な自分、ほんと矛盾してます😁)。ただし、オメガバース初心者が手を伸ばすなら、別の作品から入ることを強くお勧めします。「番」という概念の重さを、ちゃんと感じられる作品の方が、このジャンルの魅力を存分に味わえますよ🙏
作家: 藤河るり
ジャンル:
単行本 恋愛 めがね ツンデレ






