ツンデレ王子のハメ探し【棒消し修正版】

ファンタジー
ツンデレ王子のハメ探し【棒消し修正版】
総合 ★3.8 / 5.0|ツンデレの本気度 |短編内世界観の濃密さ

短編だからって侮るなと言わんばかりの、なかなかに密度のある一冊だった。王子という立場で突っ張ってるキャラなのに、一度火がつくと執着が止まらなくなるタイプなんだろうなーっていう説得力がちゃんと出てる。ツンデレ王子って響きだけで「またこのテンプレか」と思いかけたんですけど、実は違うんですよね。

何がいいかって、この作家さんはコマ割りが上手い。短編という限られた尺の中で、心の揺らぎを表情と視線だけで伝えてくるんです。特に王子が本来のツンツンな態度から、徐々に素を見せていく過程の描き分けが丁寧で、その流れ自体がエロティックにもなってる感じ。設定が「恋愛に活きてる」っていうファンタジーBLとして大事な部分がちゃんと機能してるんですよ。背景描写も世界観の構築も完結してて、短編とは思えないくらい奥行きがある(ニートの読書経験が報われた瞬間です😁)。

気になるとしたら、中盤の流れが少し駆け足気味だったかなってところと、エロシーンのボリューム感がもう少しほしかったなっていう個人的な要望。65ページという制限の中だからこそなんですが、この二人のやり取りをもっと読みたい欲が出てしまう。名原作品の中では安定のクオリティを保ってる上質な一冊だと思う。

ツンデレだけど執着型で、相手の心をちゃんと見てるタイプの攻めが好きな人、短編だからこそギュッと詰まった世界観を味わいたい人向け。素直になれない王子が相手にだけ見せる顔に何度も立ち返ってしまう、そういう中毒性のある作品です。

作家: 名原しょうこ

ジャンル:
ファンタジー 単行本

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