正直、タイトル見た時点で完全に舐めてました。「ふざけたノリだけの下ネタラブコメか」って思ってたんですよ。ニートの浅い期待値。でも蓋を開けてみたら、これがもう……情動的なやり取りが丁寧で、最後には完全に沼に引っ張り込まれてました😂
設定だけ聞くとシンプルなんです。【攻めが推しの快感に執着している】【受けはそれに困惑しながらも応えようとしている】——この軸だけ。でも話が進むにつれて、その関係性が一方的な執着から「あ、これ相互的な必要性なんだ」って変わっていく瞬間がある。そこですよ。心理的な距離の詰まり方が、ほぼ物理的な接近と一致してるんです。エロシーンも単に脱ぐだけじゃなくて、攻めの「この感覚を知ってほしい」という欲求と、受けの「このやつの期待に応えたい」という心情が重なってる。だからベッドシーンがくっつく度に、理由不明でじんと来ちゃうんですよ。
作画の茶色いさんの力ってここで本当に活躍するんです。触れ合う瞬間の表情の変化が細かい。特に受けが照れてる時の目……あの瞬間だけで「わかる、こいつ心がまってる」って読み手に伝わってくる。攻めも執着的だけど、実は内面に弱さを持ってる感じが視線で表現されてる。二人が並ぶコマの距離感も巧妙で、序盤の「避けられてる距離」から中盤の「意識する距離」を経て、終盤には「くっついてて当たり前の距離」へ移行していく過程が、コマ割りだけでも読み取れるんです。セリフなくても空気で分かる。そこまで意図的に構成してくる作品、このジャンルでそこまで多くないんですよ。
さらに言うと、攻めのキャラ造形が秀逸。一見「ただ執着してるだけの強引なやつ」に見えるんですけど、後半に来て「あ、この人も実は相手に縋ってるんだ」という脆さが言語化される瞬間があるんです。サンプルに含まれてない後半のシーン、攻めが受けに「俺とお前の関係」について向き合うくだり。それまで触覚的な快感に執着してた人間が、心理的な繋がりを言葉にする。そのコマの表情を見た時、正直な話3回は読み直しました。ニートが生きる理由をもう一個発見した感じですね😁
このジャンルって大きく二つに分かれるんです。「テンプレを無視して個性を振り切る系」と「テンプレの枠組みを正面から掘り下げる系」。この作品は明らかに後者。それなのに「ただテンプレを繰り返してるだけ」じゃなくて、「テンプレが存在する理由」を二人の関係で証明してる感じになってるんですよ。だからテンプレラブコメだからって舐めると、思いっきり沼に引きずり込まれます。実際、私も引きずり込まれました🙏
ボリュームは189ページで、この価格帯としては十分。加えて電子限定かきおろし漫画がついてるから、完全に得した気分で読めます。微々たるニートの小銭でも価値を感じられるレベルです。
**購入判断としては、こういう人には本当に外さないです:**「テンプレラブコメ好き。推しカプの新作が出たら片っ端から読む」「関係性の築かれ方を重視する」「表情と距離感で心理を読み取る描写が好き」——こういった読者にはマジで即買い推奨。
一方で「ラブコメとはいえ設定から攻めた奇想天外な作品を求めてる」「テンプレの安定感より新規性を重視」という人には、正直「悪くはないけど無難」という印象になるかもしれません。優秀なテンプレ作品だからこそ、変わり種を欲する人には物足りないかもしれないってことです。
**【買い】**
作家: 茶色いの
ジャンル:
単行本 恋愛 ラブコメ





