アンソロジーはご存知の通り、当たり外れのギャップが避けられません。でもこの作品、その「ギャップ」を作品の多面性として設計してるんですよね。エロシーンに感情を乗せてくる話もあれば、ひたすら欲望だけで突き進む話もある——つまり「その日の気分」に左右されない読み方ができる。これって実はアンソロジーとしては結構優秀な作りです。
79ページというボリュームに4人の作家による複数エピソードが詰まってる中で、「雌膣宿りし男たち」というニッチ設定を各々の解釈で描き切ってるのが面白い。ミツコアさんは攻めのセリフに余裕と色気を乗せて大人っぽい雰囲気を作る。一方ヨルノスミさんは受けの身体の反応に特化させて、視線がそこしかいかないような計算し尽くされた構成にしてる。さいおがうまさんと真白しろいろさんの回も含めて、同じ設定でここまで描き分けられるのかと感心させられました。特に手指の動き、表情の微細な変化、潮吹きの「流れ」を追う描写の丁寧さ。単なるポルノではなく「これは感情表現だ」と納得させるだけのクオリティ。ニート的には推奨できるレベルです😂。
クンニシーンの表現力だけで言えば、既存のBLアンソロジーと比較してもかなり上位層に入ります。むしろ単行本と遜色ないレベル。これまで300冊以上読んできた中でも、同ジャンルのアンソロジーでここまで統一度の高いクオリティを4人の作家が見せるのは珍しい。ただ、アンソロジーの宿命として「この話が一番好き」と「これはちょっと…」という個人差は当然出てきます。その落差を0にするのは物理的に無理だし、そこまで完璧を求める必要もないんですけどね。
サンプルでは絶対に分からないのが、各エピソードの「終わり方」の違いです。短編だから各話で完結してるのは当然なんですが、その着地点が「二人の関係性の深化」に向かう話と「その時限りの欲望の発露」で終わる話でこれほど読後感が変わるのか、って感じです。特にヨルノスミさんの回。最後のコマの視線の交わし方だけで、単なるエロシーンから「二人の間に何かが生まれた瞬間」へと見え方がガラリと変わる。その工夫を発見するには全編通して読むしかないんです。これが何度も読み返す理由になってます。
ここからが重要な話なんですけど、同じBlackCherryの他アンソロジーと比較すると、「雌膣宿り」という設定がめちゃくちゃ有効に機能してることに気づきます。男性キャラが身体に女性器を持つという設定が、単なるエロネタではなく「相手を理解する」「相手の身体に向き合う」というテーマに繋がってる。だからクンニシーンが単なる前戯じゃなくて、それ自体が「コミュニケーション」として成立してる。この工夫がなけりゃ、何度も読み返す理由がない。就活で面接練習するより真剣に読み返してますからね😁。
結論からいくと。「クンニ重視のえっちが好き」「攻めが受けの身体の反応を丁寧に観察するタイプが好き」「アンソロジーでも話ごとにテンションが崩れない作品を探してた」——こういう人なら即【買い】です。問題は「起承転結のある物語としてのストーリー性が必須」「短編より長編で一つの関係性を追いたい」という人。そういう方には正直、同じ金額をVol.1か別の単行本に充てた方が満足度は高いと思う。Vol.2という番号が不安にさせてるかもですが、各エピソード独立してるので単品でも完全に問題ありません。このボリュームでこのクオリティ、アンソロジーとしては及第点超えてます。迷ってるなら「クンニ」がジャンルリストに入ってるかどうかで判断してください。入ってたら買い。それだけです🙏。
作家: ミツコア, ヨルノスミ, さいおがうま, 真白しろいろ
ジャンル:
クンニ 単行本 中出し 潮吹き アンソロジー







