アルファの調印式

単行本
アルファの調印式
総合 ★4.0 / 5.0|スパダリ度 |番との絆の説得力

見た瞬間に「あ、これ池玲文だ」ってわかる絵柄とキラキラした世界観。オメガバース作品ですけど、ここまでスパダリに徹した攻めを読んだのは正直珍しいですね。

本筋はシンプルです。小国の王子オスカーと隣国の宰相ルグラン。子ども時代の出会いでルグランが番だと気づいて、大人になったオスカーもまた自分のつがいを認識する。調印式から婚約、結婚、その先へと話が進んでいくんですけど、これですよ……8話という枠の中で夫婦円満までちゃんと描き切るあたりが上手い。攻めのルグランが本当に「至高のα」という称号に恥じない存在になってて、受けを立てるだけじゃなくて守るし認めるし欲しがるし。その感情の流れが表情で伝わってくるから、わざわざセリフで「君を愛してる」とか言わなくても伝わってくるんですよ😁 池玲文のコマ割りって本当に優秀だと思う。

ただ、8話というボリュームでここまで盛り込むんだから、やっぱり細かい心理描写とか葛藤の部分は削られてるなっていう感じはします。特にオメガバース特有の「番との絆を受け入れることと自由意志のぶつかり合い」みたいなテーマが、この作品ではあんまり深掘りされてない。良い意味で王道です。悪い意味で、もう一声ほしいなっていう(人生でも作品でも欲張りですみません)。

同じ作家の他作品と比べると、こっちはより感情的に「いい話だな」ってなれるタイプ。世界観の作り込みとしては設定資料集的な重厚さはないんですけど、その分キャラの関係性に全力を注いでる感じがして、そこが上手くいってる。オメガバース好きさんにも池玲文好きさんにも推せる一冊です。

作家: 池玲文

ジャンル:
単行本

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