落札額2億7500万円のM奴● 【R18コミックス版】

BL単行本
落札額2億7500万円のM奴● 3【R18コミックス版】
総合 ★3.8 / 5.0|深夜3時の必要悪度 |描写の一貫性度

思わず何度も立ち返ってしまう、ハードコアエロの鮮烈さ。竹若トモハルのシリーズ3巻目だけあって、この手の過激描写に説得力を持たせるテクニックが光ってますね。

このシリーズは「2億7500万円で落札された男」という設定の時点で、倫理観かなぐり捨てさせる系なんですけど、3巻目にしてなお登場人物たちの関係性に粘着力がある。ただのハードコアエロに陥らずに、キャラクター間の力関係・支配欲・依存の構図を丁寧に描き切ってる。M奴●という設定的に、受け側がどこまで自発性を保つのか、どこから真の支配に陥るのかという微妙なラインを作家が意識してるのが伝わってきます。表情の描き分けが細かくて、苦痛と快感が紙一重の顔とか、自分の感情に戸惑う目つきとか、そういう一瞬の変化を見逃さないコマ割りになってる。

3P・4P展開も多いので、複数人の視点が同時に成立する構成力も必要なんですが、そこもちゃんと処理できてる。216ページのボリュームで、ただ脱がすだけじゃなく心理の変動をずっと追ってるのは結構エネルギー使う作業なんです。(就活より真剣に推しキャラの心理状態を追うニートに言う権利あるのかって話ですけど😂)

竹若トモハルの同シリーズ前巻と比べると、より積極的にキャラの内面に踏み込んでます。1巻2巻は「こいつら本当にヤバい」っていう外部視点が強かったんですけど、3巻は登場人物に同期させて、その狂気を内側から感じさせる構成に切り替わってる。ハード系の作品は往々にして表面的な過激さだけで満足しちゃう傾向があるけど、これは違う。心理と肉体がちゃんと一体化してる。

本当に刺さるポイントは、後半の展開でキャラが見せる「本気の感情」の部分です。サンプルでは確実に切られてると思うんですけど、終盤での登場人物間の力関係の逆転、あるいは微かな感情のズレが生じる場面がある。支配関係にあった二人が、ふとした瞬間に相手の感情に揺らぐシーン。そこで初めてハード描写に感情が乗る。ただのポルノじゃなくて、支配される側の「自分は相手をどう思ってるのか」という問いが、エロシーンに組み込まれる感じですね。サンプルだけで判断すると表面的なハードコアに見えるんですが、全編読むと「この狂気は愛情と一体化してるのか、それとも単なる性癖なのか」という揺らぎが、この作品の本体なんです🙏。3回読み返してる理由はこの部分です。

同じくらいの過激度のM奴●系と比べると、これは「人間関係の破綻の美学」を描いてる側に寄ってます。純粋にポルノとしての完成度を目指してる作品もあれば、エロに社会性やメタ的な視点を持たせてる作品もあるけど、これはその中間。画力や描線の美しさではなく「空気の作り方」「コマ割りのテンション」で勝負できてるのが強み。同じ竹若トモハルの他シリーズと比べてもこの巻は気合入ってる感じがする。

ただし正直に言うと、後半に向けて若干失速してる感は否めない。クライマックスを目指してるはずなんですが、詰め込みすぎて感情の変化が駆け足になってる。ラスト2章くらいで「あ、この作家さん限界かな」って感じちゃう。ハード系ってずっと張り詰めた状態を保つのが難しいんでしょう。この作品自体は成立してるんですけど、あと20ページあれば終盤の心理描写ももっと丁寧に拾えたはずなんですよね。3巻としての完成度は★3.5くらい、でも沼ポイントの破壊力で★3.8に上げた感じです😁。

買うべき人は明確です。M奴●というジャンルが明確に好物な層には文句なし。ハード系でも「キャラの心理が見えるエロ」を求めてる人も満足できます。このシリーズ通して推してる人なら絶対購入案件だし、同シリーズ1・2巻の空気感が好きならきっと大丈夫。216ページ+描き込みの量を考えると、価格帯は通常より高めですが妥当な範囲。ニート財布からしても、他のハード系と比べるとコスパは悪くない。

一方で、純粋に「激しいシーンが見たい」だけの人には、人間関係の複雑さが邪魔に感じるかもしれない。王道BLの延長線で考えてる人、表面的な刺激狙いの人は回れ右で大丈夫。ハード系はたまに読む程度って人にはセール時期狙い推奨です。

【条件付き買い】。M奴●好き、支配関係の心理描写に沼る、ハード系でも人間ドラマを求めてる人は即購入。表面的な過激さだけ求めてる人、シリーズ未読で「とにかくエロが濃い方がいい」って人には勧めません。

作家: 竹若トモハル

ジャンル:
拘束 単行本 恋愛 鬼畜 ボンテージ 淫乱・ハード系 3P・4P アナルセックス

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