【18禁版】真夜中の俺を見て【単行本版】

BL単行本
【18禁版】真夜中の俺を見て【単行本版】2(特典付き)
総合 ★4.8 / 5.0|監視される快感度 |攻めの陥落の説得力

ちょっと待ってください。この作品、マジで何これ。3日かけて12回読み返しました。これはニートの時間浪費としての最悪例を通り越して、一種の修行です😂

「真夜中の俺を見て」というタイトルからして既に危険な香りなんですが、本巻でそれが完全に回収されるんですよね。眠れない夜に相手を凝視し続ける攻め。その視線に気づきながら眠ったふりをしている受け。最初はこの関係性だけで十分沼なんですけど、話が進むにつれて、この「見つめる」という行為にどれだけの感情が詰まっているのかが少しずつ明かされていく。タイトル一つで二人の関係を全て表現するセンス——これ、本気で天才だと思います。

Luriaさんの描く攻めは表面的には支配的で強気に見えるんですが、実の所すごく脆い。相手がいないと夜も眠れないし、相手の寝息を確認することでしか安心できない。その執着が気持ち悪くならず、むしろ純粋な愛情として立ち上がってくるのが秀逸なんですよ。一方の受けも従順なだけではなく、攻めの弱さをちゃんと認識していて、時には主導権を握ったり、時には攻めの不安をそっと解きほぐしたりする。二人の力関係が常に揺らいでいるんだけど、その揺らぎ方が本当に心地いい。

もう一つ、この作品の魅力は徹底した「目の描写」にあります。目の奥に何があるのか読み取るためだけに何度もページを往復させられるんですよ。ニートは家に籠ってるから眠いのが常なんですけど、これは眠気を完全に吹っ飛ばします😁。コマ割りと背景の描き込みも素晴らしいんですが、結局この作品の全てはそこに集約される。二人がどう見つめているのか、その視線の中に何があるのか——それが全てです。

前巻では二人の出会いと関係の構築が丁寧に描かれていたのに対して、本巻は関係が深まっていく過程をかなり緻密に追ってます。依存から信頼へ。支配から愛情へ。その変化を読者に実感させるのが本当に秀逸。前巻を読んでなくても物語は成立する構成になってるんですが、読んでると二人の成長がより沁みてくるんですよね。

ここで絶対に触れておくべきなのが、このシリーズのサンプルについてです。大抵の作品は序盤のほんのちょっとが試し読みに含まれてるじゃないですか。本作もそうなんですけど、マジで言うと、本当の沼は中盤から後半にあるんですよ。攻めが受けに「もう離さない」的な宣言をするシーンがあるんですけど、あれって単なるセリフじゃなくて、それまでの二人の全ての関係を背負った言葉として機能してるんです。そこに至るまでの心理描写、疑い、和解、身体の触れ合い——その全部を経由してからのあのシーン。サンプルには絶対に含まれない部分だからこそ、そこで初めてこのカップルの本質が立ち上がってくる。もう一回言いますけど、12回読みました。そして12回全部で泣きました😂。

同系統の作品で比較するなら、Dabichiさんの「囲われた先に」みたいな支配者×被支配者の関係性を描く作品も好きなんですけど、Luriaさんはそこにもっと感情の余地を残すんですよね。完全な支配ではなくて、共依存に近い——でもそれが耐え難い関係じゃなくて、二人にとって自然な形になっていく。だからこそ受けにも自分の意志が生まれるし、攻めも常に不安定でいられる。このバランス感覚は、本当に現在のBL界でも上位に位置する作品だと思います。

エロシーン描写についても同様で、ただの性描写ではなく、二人の絆を深める営為として機能してるんですよ。本巻のクライマックスのベッドシーン——あれはもう……冷静に書くのが無理です。一度読んだ時点で既に泣いてるのに、読み返すたびにもう一回泣く。ニートが泣く権利があるのか不明ですが、泣きました。その先に何があるのか、二人が何を感じているのか。それを感情の在り方として表現しきった その表現力🙏

結論の前に、正直な除外条件を明言します。このシリーズの根底にあるのは「監視」「支配」「執着」といった、一般的には危ないテーマです。攻めが常に受けを視線で追い詰める描写があるので、そこが気になる人には本当に不向き。「見つめられる/見つめる」という関係性そのものが苦手だと、物語に入り込めない。その手の表現に耐性がない人は、正直【見送り推奨】です。

ただし、支配描写に沼ってる人、依存関係の心理描写に心を掴まれるタイプ、視線の交わし方で判断や感情を読み取るのが好きな人。そういった沼人間にとっては【買い確定】です。このボリュームでこの完成度、特典も含まれてるなら、買って後悔する余地はない。むしろ年下攻めが好きで「支配される喜びに絆される」みたいなテーマが刺さるなら、年内ベストの可能性すら高い。今月は確実にベスト。推し作家に認定しました。作家さんに手紙出したいレベルです😁

作家: Luria

ジャンル:
単行本

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