【18禁版】グロウインザダーク

BL単行本
【18禁版】グロウインザダーク【電子限定描き下ろし付き】
総合 ★3.7 / 5.0|設定が恋愛に活きる度 |幼なじみの信頼感を揺さぶる度

読了直後は「ああ、ファンタジー設定が上手くまとまってる作品だな」くらいの感覚だったんですよ。それがなぜか5回読み返しました。ニートなので時間は有り余ってるんですけど、それでも推し作品以外を5回転は異例です😂 引きずられました。設定が実は二人の関係性の核になってて、読むたびに「あ、ここもこういう意味だったのか」と層が見える。その体験が癖になってしまったみたいです。

「グロウインザダーク」というタイトルからして、光と闇の属性を持つ二人のファンタジー世界設定があるんですね。ここまで聞くと「あ、設定凝ってるんだ」という印象。実際、その通りです。ただし、この作品の職人技なところは、その設定が単なる背景じゃなくて、幼なじみという立場での二人の関係そのものに直結してるってこと。攻めが示す光の側面、受けに秘められた闇──その補完関係が物語を通してじわじわ明かされていく。じねんの作風として表情の使い方が丁寧で、セリフより目の動きで心理が透ける。232ページのボリュームを、そういう細かい描写の積み重ねが全部感情に繋がってる。これが設定を設定で終わらせない、その世界観の中でしか生まれないカップリングの深さなんです🙏

同じじねんの他作品と比べても、今作はファンタジー設定への向き合い方が一段上という印象。設定という素材を完全に使い切ってる感じ。幼なじみファンタジーというカテゴリーの中では、世界観と感情の両立がちゃんと機能してる作品は案外少ないんですけど、これはその上位グループ。ただ──そして正直に言うと──前半の設定説明がちょっと説明になってるんですよ。「あ、世界観を理解させようとしてるな」という匂いがする。そこだけが惜しい。

それでも読み進むと、その説明パートが全部伏線になってることに気づく。後半の展開で「本来あるべき関係」と「今在る関係」の齟齬が一気に浮き彫りになるシーン群があるんです。サンプルでは絶対分からない、幼なじみだからこそ深くなる葛藤。その過程での身体的な距離感と心理的な距離の逆転が、読後に重くのしかかる。だから「前半は説明的だな」って思った所も、実は全部計算だったんだと後付けで気づく。それで何度も読み返してしまうわけです(履歴書より攻めの生い立ちを真剣に追える人生、万歳😁)。

ファンタジー幼なじみモノって、設定ありきで進む作品と感情ありきで進む作品に分かれるんです。これは後者。その分、読者によって印象が変わる可能性がある。世界観の細かい設定を楽しむタイプなら「ちょっと感情に寄りすぎじゃね」と感じるかもしれない。逆に関係性の深さ重視なら「設定も完璧に噛み合ってる」と沼ります。後者なら、絶対買いです。特に「幼なじみファンタジーはテンプレで物足りない」「設定と感情がモヤモヤと噛み合ってないのが嫌」という層には強く推奨。年下攻めの成長と、それに伴う受けの変化を細く追える構成も好印象です。

価格面も見合ってます。232ページ+電子限定描き下ろしで、このボリュームなら通常価格でも妥当。セール時に見かけたら迷わず手を出していい。ただ、ファンタジー設定の説得力をもう一段階磨けていたら、★4.5は確実だったはず。今のままでも十分推しますけど、そこだけが惜しい。

【買い】(特に幼なじみ×ファンタジーが好きな層、関係性の深さ重視派には強推奨)

作家: じねん

ジャンル:
ファンタジー 単行本 恋愛 幼なじみ

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