寝ている親友に手を伸ばす【R18版】

単行本
寝ている親友に手を伸ばす【R18版】
総合 ★3.8 / 5.0|親友枠からの決定的な越境度 |抗いがたい背徳感への堕落速度

冒頭から一気に引き込まれます。「寝ている親友に手を伸ばす」という、あらゆるBL読者の心の奥底に眠ってた妄想を具現化しちゃったこの設定、ズルい。本当にズルいです。

相野ココの真骨頂である「体温を感じさせる描写」が本当に炸裂していて、特に仁鳥が壱に触れるシーンの緊張感がたまりません。無防備に眠っている相手に触れる時の、あの一瞬の逡巡と決意のコントラストね。指先が相手の肌に触れる瞬間、漫画なのに体温が伝わってくるような感覚があるんですよ。書き下ろし25ページがあるというのも納得で、この25ページでエロシーンがどう機能しているかが作品の質を左右する部分だと思うんですけど、感情の延長として成立してます。ただのポルノじゃなくて、片思いの切実さと背徳感がベッドシーンに乗ってる。読んだ5回目でようやく「あ、この作家さん、表情の描き分けまで細かいんだ」って気づきました(遅い😁)。

ノンケ×クローゼットゲイという組み合わせは、BLでもあんまり難しく描かれることないですけど、ここまで誠実に片思いの絶望感を引っ張ってくる作品は珍しい。高校卒業後は会えなくなるかもしれない、だからこそ今、という儚さが全編に漂ってますね。ただ、81ページという短さがネックで、壱の心情がもう一押し見えてくれば、さらに痺れる作品になった気がします。

他の相野ココ作品と比べると、これは明らかに描きたいモチーフに全力投下してる感じ。設定重視じゃなくて関係性重視の作家さんなので、この「親友と恋の境界線」というテーマとの相性は抜群です。

背徳感のある片思いを、真摯に受け止めて読みたい人向け。あ、あと親友という関係性に異常に反応する体質の人です。深夜2時のニートが5回も読み返すようなプロファイリング、してやられました(🙏)。

作家: 相野ココ

ジャンル:
単行本

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