BlackCherryアンソロジー カントボーイ 雌膣宿りし男たちVol.1

BL単行本
BlackCherryアンソロジー カントボーイ 雌膣宿りし男たちVol.1
総合 ★3.7 / 5.0|作家による色出し度 |推し話リピート沼度

思ったより何度も開いてしまった。黒いテーマのアンソロジーなのに、引き算が上手くて読み心地がいい。複数作家の組み合わせがここまで化学反応するのは珍しい。

**設定に支配されないエロとは何か**

BlackCherryシリーズのこの一冊、テーマは「女性器を持つ男性キャラ」という結構ニッチな設定です。正直に言えば、コンセプト先行で破綻しやすいジャンル。でも読んでみたら「コンセプト本ではなく、あくまで演出上の挑戦として機能してる」という感じ。つまり、設定に溺れてない。4人の作家がそれぞれ違うアプローチで同じテーマに挑んでるから、同じネタなのに話ごとに読み味がまるで違う。

烏丸ピヨひこさんは「身体の違いを素直に受け入れるパートナー」に寄せてるし、西賀あすかさんは「受け入れるまでの葛藤」を軸にしてる。岡本夜彦さんは関係性の履歴をちゃんと見せるタイプ。まあ、全員の個性までは語り切れないんですけど、要は各作家が「この設定でこの二人が繋がるなら、どう見せるか」を考えてるんですよ。その誠意が4話全部で感じられるから、設定に支配されずに済んでる。すごく大事な部分です(私が言っても説得力ないですけど😂)。

**アンソロジーの宿命「短さ」には勝てない**

ただ、現実は「全76ページ・4本立て」。これもう書かれた瞬間に察してくださいレベルの致命傷です。1話当たり平均18ページって、贅沢な話をしてる場合じゃない尺。設定の説得力を積み重ねるにはほぼ不可能。

特に後ろの2本が「あ、ここからなのか」ってタイミングで終わるんですよ。1話1話の完成度は高い。本当に高い。でも私みたいに「キャラの背景と関係性の歴史でドツボにハマるタイプ」だと、物足りなさが残る。4本すべてが5本分の密度だったら傑作に化けてたと思う。そこまで惜しい出来。

**「設定エロ」と「感情エロ」は別物**

これ大事なポイントなんですけど、設定が活きるかどうかって、後半の関係性描写に完全に左右されるんです。表面上は「初っ端からエロに入る話」と「関係性を積み重ねてからのエロ」に見えるんですけど、実際のテンポの差は全然違う。

モザ越しでも「この二人、このセックスだからこそ繋がってるんだな」って納得させる作家と、「えっ、もう本番?」って読者が置いてきぼりになる作家がいます。その差は完全に「設定を感情に変換できるかどうか」の力量差なんですよ。サンプルだけ読むと作風の違いがぼやけちゃうから、そこが実際に買って読むべき理由。事前に判断しきれない領域です。

**同ジャンル比較:設定vs関係性**

他のBlackCherryアンソロジーと比べると、このシリーズはコンセプト重視。「設定を落とし込むこと」に丁寧なのは長所ですね。ただ同価格帯の通常アンソロと並べると、普遍的な「攻め×受けの力関係の面白さ」みたいなエモさでは劣ってる。これは良し悪しじゃなくて、完全に好みの問題です。

例えば「カップリングの感情的な繋がり」で震える人と「設定によるメカニズムの意外性」で震える人は、脳の報酬系が違う。このアンソロは後者に向いてて、前者には……うーん、という感じ。ニート視点で言えば、テレビのドラマ枠と設定資料室くらい別物だと思ってくれればいい。

**ボリュームとコスパの現実**

1冊76ページってのが実は結構な地雷。アンソロとしては普通の厚さなんですけど、このコンセプトだと「もう終わり?」という疑問が最後に残る。正直、ニートの私でさえ「追い銭でもう1冊いるな」と思ったレベルです(これ身を切る発言ですね😁)。

価格自体は悪くない。むしろ適正。でも1冊での完結性が弱いから、単体では満足しきれない構成。複数巻セットで読むと力が出る、そういうシリーズのようです。最初から「シリーズの一部」として構成されてるんだろうな、というのが透けて見える。

**買いか見送りか:ターゲットを分ける**

【条件付き買い】トランスジェンダー設定・オリジナルボディに対して興奮できる人、設定が変わるだけで関係性の読み方も変わるという多面性を楽しめる人。あとメカニズム(身体の仕組み)の描き方で興奮するタイプなら、このアンソロは刺さります。4話で違う視点が見られるのはこのシリーズならではの強み。

【見送り推奨】純粋に「推しカップリングの感情表現、関係性の深さで読みたい」という人。同じ価格でオーソドックスなアンソロを2冊読むほうが、圧倒的に満足度が高い。キャラへの執着度が深い人ほど、短さでストレスを感じるでしょう。あと「設定は後付けで、関係性が全て」という価値観の人も、このシリーズとは相性が悪い。無理に買うと後悔する可能性あり。

正直なところ、このレビュー読んでるあなたが「設定?どうでもいい、関係性の方が大事」派なら、他のを選んで。「設定が好きだけど、でも感情描写も欲しい」派なら、試しに1冊だけ買ってから判断するくらいの気持ちでいいと思う。1冊では全貌がつかめないから、無理に1発買いする必要もない。シリーズ全体を見て判断するのが無難です。

作家: 烏丸ピヨひこ, 西賀あすか, いちのみるく, うさめろぴすけ

ジャンル:
クンニ 単行本 中出し アナル 潮吹き

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