「ネタみたいなタイトルのBL、大体地雷じゃない?」
そう思ってる慎重派こそ読んでほしい。このヤツはタイトルが嘘つかない、むしろ約束以上のものを届けてくるタイプです。長編じゃない、30ページの短編なのに「ああ、この世界完成してるな」と感じさせてくるのは、限られたページ数を無駄にしない構成力があるからですね。
「留年確定した同級生との宅飲み」という一見単純な前提から、二人の関係性がどう動くかを丁寧に組み立ててます。サンプルだけだと「エロで畳まれる展開かな」という程度の予想ですむんですけど、フルで読むと全然違う。むしろストーリーの肝は「このセックスが二人の関係を何に変えるのか」という、その後の余韻まで含めた構造になってるんですよ。
**受けの弱さ × 攻めの優しさ という距離感**
話の軸は、留年という失敗を抱えてる受けと、その状況を知ってる同級生の攻めの微妙な距離感。宅飲みという半プライベートな空間で、アルコール入った状態での接近が「予定外のセックス」へと流れていくんですけど、ここで秀逸なのは「相手をどう見てるか」の齟齬がちゃんと描かれてるところです。受けは「自分なんて」という自己評価の低さを抱えてて、攻めはその弱さを目の前にしたときの動きに説得力がある。
エロシーンもただポルノ的ではなく、細かい表情の変化で「初体験の不安」から「徐々に気持ちが変わっていく瞬間」を丁寧に描き分けてる。作画の清潔感あるタッチも相まって、受けの脆さと攻めの優しさが視覚的に届くんですね。この「感情が乗ったエロ」の引き出し方は、同ジャンルの「とにかくエロで埋める」タイプの作品と一線を画してます。
**内藤ふぐり先生が挑んだ「危険球」**
この作家は短編に定評がありますけど、今回は限られたページ数で「初体験」という取り返しのつかない選択肢を二人に突きつけてるんですよ。つまり単なる「その場のセックス話」ではなく、二人の人生に傷跡を残す可能性のあるエピソードとして機能してる。前作の印象だと割と日常的な関係性を扱ってた気がするんですけど(うろ覚えですみません😁)、今回は感情の揺さぶりまで含めてやってくる感じ。成長が見える。
特に終盤、攻めが見せるある行動のくだりね。あれがあるだけで「ああ、このふたりはこのセックスで完結する話じゃないんだ」という確信が生まれる。30ページという短さだからこそ、その余韻が重いんです。
**同ジャンル比較で見えるこの作品の位置づけ**
学園初体験ものの市場には、エロで画面をいっぱい埋めるタイプが大多数ですよね。その中でこれは「エロの中に感情を仕込む」という工夫がある。ラブコメ要素も適度で、宅飲みのテンション感を空気感として立ち上らせてる。そういう「読んでてこのふたりが本当に飲んでるんだな」という没入感が出てくる。
画力だけで言えば、もっと豪華な作品は山ほどあります。でもこの作品の強みはコマ割りと間の取り方の巧さ。むしろシンプルなビジュアルでテンポ優先という編集方針が正解だと思う。「このボリュームでこの価格」は十分どころか、セール時なら迷う余地ないレベルです😁
**買い判定とターゲット明示**
【買い】年下攻め好きで初体験ものに弱い層、あるいは「感情が乗ったエロが見たい」という大人めな読者には完全な買いです。「このふたりの関係がその後どうなるのか気になる」という感覚は、5回読み返した私の状態からも伝わるはずです。ニート生活の中で続編が出たら即走るレベルです🙏
逆に「純粋にエロだけで楽しみたい」「複雑な関係性より単純な快感に浸りたい」という需要の人には物足りない可能性があります。その需要を否定はしませんが、このタイプの作品ではないので注意。「初体験の照れ笑い」みたいなシーンが増えるほど、ストレートなエロ濃度は薄まっていくということですね。
**次に手を伸ばすなら**
このレビューで「留年という弱さを抱えた受け × その状況を知ってる攻め」という関係性が刺さったなら、内藤ふぐり先生の他の短編で「弱さを知ってる者同士」という距離感の詰め方を追いかけるといいでしょう。逆に「もっと長くこのふたりの関係を追いたかった」という不満が出たなら、ある程度のボリュームで二人の関係の変化を丁寧に描く学園BL——例えば「同じ学年だからこそ見える相手の素」みたいなテーマの作品——に手を伸ばす方が満足度高いと思います。
結論として、タイトルの長さと内容の充実度が比例してる稀有な一冊。買う価値あります。
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メーカー: night safari park
ジャンル:
BL(ボーイズラブ) ラブコメ 中出し アナル 純愛 女性向け 成人向け 襲い受
