総合 ★3.8 / 5.0|受けの本気とはぐらかしのバランス度 ◎|攻めの一途さの説得力度 ○
タイトルの二面性がそのままキャラクター造形に落ちていて、思った以上に推しに刺さる作品でした。
「かわいい」と「かわいくない」の間を行き来する受けの立ち振る舞いが、ただのわがままではなく、本気と防御のギリギリのバランスとして機能しているんですよね。素直になれない自分を手探りしながら、でも相手には真っ直ぐに接して欲しいというジレンマ。それが攻めの一途な視線と交わる度に、もう……って感じです😂。攻めの方も「俺様強引系」一辺倒ではなく、受けのそういった機微に気づいて葛藤する場面が何度も出てくるのがいい。二人の関係が一直線ではなく、螺旋状に深まっていく過程が丁寧に描かれてるというか。コマ割りも中盤から後半に向けて加速感が出ていて、読むテンポも相まって、寝るつもりが深夜2時に目が冴えてました(ニートは平日夜間が最も危険な生物です🙏)。
さきしたせんむ先生の他作品と比べると、今作は関係性の掘り下げが一段階深いという印象。以前の作品がテンプレを上手く料理する職人技なら、この作品はそのテンプレ自体に疑問を投げかけてるような、そんな作り込みがあります。ただ、ボリュームに対して物語のターニングポイントがやや限定的だったのは惜しい。もう一つふたつ、二人の関係を揺さぶるイベントがあってもよかった気がします。
「かわいいけど、かわいくない君が好きだ」という、ありきたりだけど最高にズルい台詞をちゃんと説得力を持たせて使い切ってる作品です。推し活中の人、受けの弱さと強さの両立が好きな人は確実にハマります。
作家: さきしたせんむ
ジャンル:
単行本










