蛍火艶夜【うす消し特装版】

単行本
蛍火艶夜【うす消し特装版】
総合 ★4.0 / 5.0|極限の愛おしさ度 |引き算の美学度

1945年、特攻隊という死と隣り合わせの世界で繰り広げられる悲恋。最初は「歴史背景とBLって相性悪くない?」って疑ってたんですけど、その懸念は見事に裏切られました😂 この作家さんはマジで引き算の天才だと痛感した一冊です。

何より秀逸だったのは、極限状況での関係性の描き方。塚本と橋内中尉(淀野視点では八木)という二人が、死を覚悟した日々の中で交わす言葉の少なさとそれでいて深い繋がり。特に表情の描き分けが本当に丁寧で、台詞がなくても二人の空気感が伝わってくるんですよ。出撃前夜のシーンで交わされるやり取りはもう、何度読み返したか数えてません。エロシーンも「ただ体を重ねる」のではなく、相手への確認作業みたいな必死さが感じられて、感情が乗ってる。戦地という背景があるからこそ、一瞬一瞬が切実に響く。描き下ろし72ページも贅沢ですし、オトナ向け加工も含めて豪華仕様は本当に正解でした。時間軸が終戦から20年後まで跳ぶのも効いていて、「あの時の選択」がずっと二人を縛ってることが痛いほど伝わります。

amaseさんの作品は安定感がありますけど、この作品はその中でも特に「重さ」の扱い方が上手い。歴史BLの中でも異色の傑作だと思います。

ただし、テーマが「終戦」「死」「後悔」という重いものなので、軽めのお話を求めてる時には向きません。むしろ深夜3時にこじらせたい気分の時向けですね(ニート業で得た知見😁)。歴史背景が好きで、エモーショナルな関係性を求めてる人には是非。

作家: amase

ジャンル:
単行本

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