総合 ★3.8 / 5.0|バディ関係の崩し方度 ◎|能力設定の活用度 ○
虎崎と辰巳のバディ関係から恋愛への流れが、テンプレながら丁寧に書かれてた作品ですね。刑事もので「反発から相互理解へ」ってこの手の王道設定、やっぱりそれなりに説得力がないと成り立たないんですけど、この作品は虎崎の猪突猛進さと辰巳の冷静さの対比がちゃんと機能してて、最初の「こいつ嫌だ」が「こいつじゃないとダメだ」になる過程がうーん、いいですね。
見どころは何といっても二人の距離が詰まっていくコマ割りの丁寧さです。目と目が合う瞬間、肩が触れる時の呼吸の乱れ、そういう細かい仕草に感情が乗ってる。ハチドリとリリーという設定も、単なる舞台装置じゃなくて恋愛の進行と結びついてるのが工夫されてるなって思いました。虎崎が辰巳の体液を求めるようになる過程が、恋愛と能力に関する執着が混ざり合ってて、その曖昧さがこの二人の関係を複雑にしてるんですよ。ただ、後半に進むにつれてその曖昧さが若干ぼやけてしまう感がありて(何回目だよ)、もう一声ほしかった感はあります。
同じ著者の他作品と比べると、これは割と親切設計寄りですね。四方月ろーどさんって関係性を深掘りする人だと思うんですけど、この作品は設定を活用しながらも物語としてのテンポを落としてない。その分「本来もっと掘れるのでは」という野暮な葛藤が生まれるってわけです。
刑事と能力設定を活かしたBLが読みたい人にはちょうどいい一冊。短編じゃなく189ページで関係性をじっくり追えるのは、夜中にダラダラ読むニートにはありがたいですね😁
作家: 四方月ろーど
ジャンル:
単行本 恋愛








